マルチコアとオーバークロックはどこまで有効か『FFXIV 紅蓮のリベレーター』公式ベンチマーク

Radeon

Published 2017年5月9日 by 編集長 田口

ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークテスト

2017年6月20日リリース予定の『ファイナルファンタジーXIV』最新拡張パッケージ「紅蓮のリベレーター」。その公式ベンチマークソフトとなる「ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(以下、FF14 紅蓮のリベレーター ベンチ)が、2017年4月29日、株式会社スクウェア・エニックスから公開された。

本稿では、筆者のもとに寄せられた疑問に答えられるよう他とは異なる構成を試みた。

まずお断りしなければならない点は、「FF14 紅蓮のリベレーター ベンチ」が従来の「ファイナルファンタジーXIV 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(以下、FF14 蒼天のイシュガルド ベンチ)と比べて幾分 負荷が高くなる場合がある。

旧『ファイナルファンタジーXIV』や新生『ファイナルファンタジーXIV』をプレイしてきた古参のユーザーを含め、現在お持ちのPCのスペックで果たして快適に動くのか、PC構成のどこを換えれば体感できる改善になるのか、その当たりを中心にレポートしたい。

使うのは、Core i7 4770K + Radeon RX 480

テスト環境については以下の通り。

FF14 紅蓮のリベレーター ベンチ用PC
OS Windows 7 64-bit Ultimate
Mobo EVGA Z97 FTW
CPU Intel® Core™ i7-4770K
メモリ Corsair CMT16GX3M4X2133C9
4GB*2 2,133 MHz 9-11-10-27
グラフィック Radeon RX480 Sapphire NITRO+ (コアクロック1,306 MHz)
Storage SSD(OCZ Vector “256 GB)または HDD(Western Digital WD-RED 2 TB)
Sound Sound Blaster X-Fi Titanium Fatal1ty Professional Series
Razer Tiamat 7.1

ご覧の通り、いわゆるハイスペックでは無い。目的は超ハイスコアを目指すことではないため、ごくごく一般的ないわゆる「ゲーミングPC」と同等クラスを用いて以下のことを検証していく。また断りがない限り、原則はOSと別ストレージとなるSSD内の「FF14 紅蓮のリベレーター ベンチ」からソフトを起動させている。

使用するソフトウェアは、CPU-Z Ver.1.7.9でCPUのクロック周波数確認。TRIXXでRX 480のハードウェアモニタリング兼コアクロック周波数の変更を行った。

また全てのテスト環境においては、デュアルモニタ環境下のうち、メインディスプレイ1枚に「1920*1080、フルスクリーン、最高品質」を選択した「FF14 紅蓮のリベレーター ベンチ」を表示させる。

また、今回はCPUを色々と弄るため、4コア8スレッドのオーバークロック仕様でない限りは、自動クロックアップ機能「Intel® Turbo Boost Technology」(以下、ターボブースト)を無効化している。

それでは、ここからベンチの結果を各種テーマに分けてご紹介する。

4コア4スレッドでも通用するのかどうか

非常に興味深い質問が飛んできたので、まずはCPU のマルチコアを4コア4スレッドで検証してみる。

ファイナルファンタジーXIVの動作推奨環境に「Intel® Core™ i7-3.0 GHz 以上」との記載があったわけだが、つまりこれは「8スレッドを同時処理できるCPUでそこそこ早いものを用意してください」ということになる。

例えば2013年に発売されたCPUにIntel® Core™ i5-2500などがある。ベース周波数が3.3 GHzなのでこれはクリア。しかし4コア4スレッドなので、処理の本数が推奨環境を満たしていないことになる。これが1つめのテーマ「4コア4スレッドでも大丈夫なのかどうか」である。

テストにあたって、1回のベンチ計測後 必ずOSの再起動を行っている。また、再起動から5分間のアイドルタイムの後、ベンチを計測。項目ごとに3回ずつ計測した中央値を今回の結果に用いている。

CPUの仕様はオーバークロックの有無の2種類

BIOS設定からターボブーストを無効化したうえでIntel® Hyper-Threading Technology(以下、ハイパースレッディング)を無効化、CPUのクロック周波数をデフォルトの3.4 GHzで固定。CPUのオーバークロックは現実的かつ常用しやすい4.0 GHzとした。なお結果欄における「オーバークロック」を一部「OC」と表記していることをご了承願いたい。

GPUもコア周波数のみオーバークロックの有無で分ける

Radeon RX480の標準コアクロックは1,120 MHz、これに対してRadeon RX480 Sapphire NITRO+は1,306MHzにオーバークロックされた仕様となっている。「+GPU OC」と明記したものは、この1,306 MHzで動作させたものを指す。

サウンドカードの有無は、もはや負荷のためではなく自己満足のため

上記に加え、Sound Blaster X-Fi Titaniumというサウンドカードを用いるか否かでもテストを試みた。ところが音声出力をグラフィックカードのHDMIや、マザーボードのIOパネルなど様々なパターンで試したが特にCPUやGPUの負荷・ベンチのスコアに目視できる影響がなかった。

近年のゲーミングマザーボードは買ってすぐヘッドホンを指せばそこそこ良質な音響でプレイできるため、オンボードで音源用チップを搭載しているケースが多い。ゆえに今回のテストにおいて「どこを音源とするか」はパスすることとした。

テスト結果 その1 スコア

ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター ベンチ結果

2017年5月11日追記
テスト結果のグラフ 上2本は、4スレッドか8スレッドかの比較。
残りの4本は8スレッドのノーマル状態、HDD読出しにした場合、CPUをオーバークロックした場合、CPU・GPUともオーバークロックした場合と見て欲しい。

4スレッドか8スレッドかの違いは誤差に等しく体感できることはなかった。「Fraps」による最低フレームレートも42、43fpsとこちらも誤差のない範囲だった。

上から3つめと4つめに注目してもらいたい。この2つは、「FF14 紅蓮のリベレーター ベンチ」をSSDから読み出したか、HDDから読み出したかの違いなのだが、スコアにも影響が出た。SSD読出し時のスコアを100%とするとHDD読出し時のスコアは96.3%となった。

また、4スレッドや8スレッド、8スレッドのCPUオーバークロックの有無を比較しても、そこに明確なスコアギャップは生じておらず、「4コア4スレッドのCore i5 でも戦える」と言うのが筆者の結論だ。

グラフでは、ベコリと凹んだように見えるが差はわずか360ポイント。スコアより後述のフレームレート、読出し時間に注目いただきたい。

テスト結果 その2 平均フレームレート

ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター ベンチ結果

次に出力レポートからの平均フレームレートを列挙した。

ここでもCPUが4スレッドか8スレッドかで特段変化は見られない。興味深いところは2点。

スコアの結果を受けて感じるのは、グラフィックカードのオーバークロックがフレームレート値に影響しやすいという点。さらにHDDからの読出しは、ここでも露骨に数値が下がったと言わざるを得ない点だ。

では実際に、FF14 紅蓮のリベレーター ベンチの際に生じる場面ごとの移り変わりで起きるロード時間についてはどうか、それを最後にご紹介する。

テスト結果 その3 総ロードタイム

ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター ベンチ結果

このグラフは短ければ短いほど良い。

上から3つめと4つめが大きな違いで、HDDからの読出しによって1.6倍近く読み込みが遅い結果となる。場面ごとの切り替わり秒数は割愛しているが、どのシーンにおいても1.4~2倍ほど読み込みが遅いことが分かった。

また、下段2つはCPUをオーバークロックした場合だが、こちらは逆に時間短縮の効果をもたらすと分かる。

ちなみにGPUのメモリは最大で1,700MB~1,900MBを使用していた。

結論。スレッド数は4で良い。出来ればSSDにゲームをインストールしたい。

以上のことから、スレッド数による影響はなく、4スレッドしかないCore i5でも全く問題は無い。むしろ実ゲームにおいて体感の違いを感じられるのはゲームを保存しているのがSSDかHDDかというところにあると感じられた。

注意していただきたいのは、PS4で参戦している光の戦士たちだ。

「じゃあPS4の内蔵HDDをSSDにするか」と思われてもとどまって欲しい。新型PS4 Proでない限り、SSD換装の恩恵が少ないからだ。これはPS4の内部構造に起因している。PS4 Proのみ唯一ストレージ接続にSATA Revision 3.0を採用しており、高速なSSDのデータ転送を許容できる。

PCから参戦する戦士は2010年前後かそれ以降に販売されたCore i5以上なら支障なくプレイできるはずだ。

Radeon RX 290、GeForce GTX 760、またはそれ以前のグラフィックカードの場合、最高品質で美しさを楽しみたいなら買い換えを検討しても良いかも知れない。また、HDDにゲームをインストールしている人は、ゲーム専用SSDを調達して、そちらにインストールするのも一計だ。

※FF14のコンフィグデータはCドライブ配下に保存されるため、OSをクリーンインストールされる場合はご注意願いたい。

駆け足だったが、以上をテスト結果の報告とする。FF14を今までプレイしたことがある人、これからプレイしたいと考える人の参考になれば幸いである。

関連リンク

FINAL FANTASY XIV オフィシャルサイト

ファイナルファンタジー XIV 紅蓮のリベレーター ベンチマーク ダウンロードサイト

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